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  1. つなの旅(2)
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(無題)

 投稿者:  投稿日:2008年12月17日(水)23時45分22秒
返信・引用
  お友達の家、駄菓子屋、彼女のいつもいるお気に入りの川原でさえ、彼女はいなかった。
”あれ、おかしいな…?”
いつもいるのに…。 絶対。どこかには居るのに。
私は不思議な感覚に襲われた。なんだかしっくりこない、そんな感覚。
結局、自分の家についてしまった。
”もしかしたら、まだ学校に居るとか?”
最後にもう一回いってみようか。
「何してんの?」
家の前で走り出そうとした時、彼女は”イタ”。
「え、何って…。」
【あんたを探しに。】
ん、待てよ?私は、こいつを探して何をしようとしていたんだ?
そうだ、こいつの両親について聞こうと…。

―そんな事きいて彼女を傷つけないだろうか。

「いや、特に。」
「?…家に着いたのに、入らんの?」
「あ、うん。はいるよ、はいる。」
お騒がせなあんたを見つけたしね。
「あ。そーだ。今日、美知の家でご飯ごちそーになるから。」
ときどき、うちのお母さんは沙羅をご飯に招く。
幼馴染ということもあって、沙羅のお母さんが仕事の時はご飯に誘うのだ。
「あ、うん。」
「今日は、肝試しな。」
「え?!」
私達は、ご飯を食べた後いつも二人で遊ぶ。
その【ゲーム】の内容を決めるのは、もちろん権力のある沙羅だ。
なんだかずるい気がして仕方がなかったが、私は彼女に対してかなり甘いのだ。
―というより、絶対私が怖いのが苦手という事知ってていってるな…。
全く、どこからそんな情報を…。
ほら、やっぱり。
彼女は後ろを振り向いて、にやりと笑った。
 
 

(無題)

 投稿者:千夏  投稿日:2008年12月 8日(月)21時00分52秒
返信・引用
  彼女が居ない一日は、実に平和だった。

授業中に、私の頭に紙くずが飛んでくることも、
給食中に、彼女の嫌いな野菜を食べさせられることも、
彼女と、彼女の「お友達」との、小さな喧嘩を仲裁することも、なかった。

一日はこんなに長かったのかと、改めて思ったくらいだ。

帰り道、私は、沙羅のことを考えていた。
あいつが居ない日くらい、もっと自由に過ごせばいいのに。
と、自分でも苛立つ。でも、気になってしまう。


沙羅とは、一応、幼馴染の関係である。
いわば、腐れ縁、ってやつだ。
だから、沙羅の両親とも、微かに、面識はあった。
ドラマのように、美男美女の夫婦で、沙羅はいつも自慢そうに笑っていた。
それを私は、いつも羨ましそうに見つめていた。そんな思い出があった。

だから、沙羅の両親が、離婚したと聞いたときは、正直驚いた。
でも、彼女は、そんな時でも笑っていた気がする。
両親が離婚したって言うのに、何で悲しそうじゃないの?なんて訊いても、
沙羅は、笑って、私の頭を撫でたんだ。

   ―― 「本当は、離婚じゃなくて、死んだらしいよ」 ――

私は、脳内から、この町の地図を広げ、
沙羅の居そうな場所を探し、走った。
今日は、あいつの為に走ってばかりだと、自分で笑いながら。
 

(無題)

 投稿者:  投稿日:2008年12月 5日(金)17時05分34秒
返信・引用
  私はため息をつく。まぁ、もう慣れたけど。

そのとき、ドアが開き担任の先生が入ってきた。
どこか険しい顔つきの先生に、騒がしかった教室が一瞬静まる。
先生は沙羅のいる方に軽く視線を送り、ついて来いと言うようにあごを上げた。
沙羅はかったるそうに立ち上がり、お友達一人ひとりにご丁寧にも抱きついてから先生のほうに歩き出した。

そして私は反射的に沙羅の手を見る。

あぁ、まただ。
また、「あれ」を。


彼女が先生に呼び出されるのは珍しくない。
男気の強い彼女のことだから、喧嘩でもして呼び出されているんだろうとみんなは噂していた。


でも私は知っている。喧嘩なんかではないことを。

だって、そんなことで呼び出されてるんだったら普通、「あんなこと」するか?
みんなは笑ってる彼女にだまされている。何も見えていない。


―沙羅は呼び出されるとき、いつも強く手を握り締めて、小刻みに震わせていた。


それを隠すように笑いながら、今日も教室を後にする。
みんなは笑っている沙羅しか見えていない。
そして私は、彼女が脆く、いまにも崩れていきそうな気がしてしまうんだ。




静まっていた教室は、あっというまに騒がしくなる。
聞こえてくる話は、昨日のテレビに誰々君が出てただとか、成績が下がっただとか、とにかくどうでもいいものばかり。
そんな中、美知の近くに集まっていた男子達の話が美知の耳に入ってきた。

「なあ、知ってるか? 」
「何を?」
「沙羅の家の話」
「あー、知ってる知ってる!」

こいつら沙羅に気があんのか?
少し興味が沸いてきた美知は教科書を片付ける手を止めた。

「親が離婚して、叔母か誰かと住んでるって話だろ?」
「いや…それがどうも違うらしいんだよ」

違う? 何が?
軽く聞き流していた話が急にクローズアップされて聞こえてくる。

「本当は、離婚じゃなくて、死んだらしいよ」

え? 死んだ?

「そう。両親ともだって。色んなとこに口止めされて離婚ってことにしてるらしいけど」
「まじ!? つか何、口止めって?」
「警察がらみの事件だったらしいからね。それも―」

「おい!みんなうるせえぞ!!チャイムが聞こえねえのか!?」
突然担任の声が教室中に響いた。
耳を澄ましていた美知は飛び上がった。お前が一番うるせえよ!!!!怒
「みんな早く座れや!はい10、9…」
変なノリでいきなり数を数えだす担任。
しかし誰もこいつが一人で教室に入ってきたことには気づいていない。あの「お友達」さえも。


一日中彼女の席は空席だった。
 

(無題)

 投稿者:  投稿日:2008年12月 4日(木)17時45分7秒
返信・引用
  つッ…辛い!!私は息切れをしながら廊下を走る。
お約束どおり、チャイムが鳴った。
ギリギリ間に合わなかったみたいだ。私ってホントついてないよなぁ。
教室は騒がしかった。
良かった、先生はまだ来ていないみたいだ。
いた!!例の彼女はお友達と楽しくお話をしている。
”くそ…、あいつめぇぇ!!”
そうして、心の中で毒づきながらも彼女にジャージと靴下を渡す。
「はい、沙羅ちゃん、次回からは気をつけてね?」
”気をつけろよ??”
ひきつった笑いをしながら心の中でさらに強調する。
「はいはい、ありがとさん。」
そんな風に、軽い返事をして彼女はまた、お友達とおしゃべりを再開した。
―……あぁ、私が彼女に振り回されない日は来るのだろうか。
 

(無題)

 投稿者:千夏  投稿日:2008年10月27日(月)17時43分0秒
返信・引用
  学校まで、あと5分。チャイムが鳴るまで、あと7分。
いつもと変わらない朝だ。

「美知、おはよう。」解けた靴紐を直していた時、声がした。

「おはよう。沙羅。」

振り向かずしても、その声が、誰だか分かってしまった。
だから私は、靴紐から目を離さずに、極力冷たい声にして言った。
毎朝の、私の小さな反抗である。

沙羅は、その事に気付いているのか、いないのか。
ふんわりと欠伸をして、私の横に屈んだ。

「なに、どうかした?」あぁ、嫌な予感。靴紐を結ぶ手が、震えた。
「ねぇ、美知。私ね、今日ジャージ忘れちゃった。どうしよう。」
1時間目、体育なのにな。と沙羅が笑う。

「取りに行けば?まだ間に合うんじゃないの。」唐突に、耳を塞ぎたい衝動に駆られた。
「うん。だから、取って来てよ。」
「誰が?」
「美知が」んふふ、と、沙羅がまた笑った。

嫌だよ、そんなの。何で私が、行かなきゃいけないのよ。
という言葉が、開いた口から上手く出てこない。

その隙に、彼女は、ふんわり立ち上がり「待ってるね、美知。」と歩き出し、
私は、そんな彼女とは、反対方向に駆け出した。

学校まで、あと5分。チャイムが鳴るまで、あと5分。
いつもと変わらない朝だ。
 

祝☆初カキコ

 投稿者:  投稿日:2008年 9月30日(火)21時02分54秒
返信・引用
  憎めない理由? それは…言葉にするにはとても難しい。
ただ、どこか憎めない人。意地悪されてイラついても、本気で怒れない人。

私は無理やりその理由を考えてみる。とことん考えつめてみる。
そしてたどり着いた1つのわけ。

面倒くさがりやで、かなりの意地悪で、ボーっとしているわりにはどこか鋭い彼女は、どこか脆かった。
「弱い」という言葉が一番似合わない彼女でいながら、少し触れただけでガラガラと崩れていきそうで。
分からない。
言葉にするのはとても難しいのだ。

ただ…憎んだらそれが最後、彼女が―

壊れてしまいそうな気がしたんだ。
 

(無題)

 投稿者:  投稿日:2008年 9月28日(日)19時04分33秒
返信・引用
  彼女は、面倒くさがりやで、かなりの意地悪で、ボーっとしているわりにはどこか鋭く、そんなひとだった。ひどいイタズラを受けたり、こき使われたりと、私の被害は相当なものだった。
しかし、そんな彼女はどこか憎めない人だった。
 

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